ここで綴る内容は、洪門の系譜を受け継ぎ、大哥(兄貴)達の教えから得た話を基に解説しております。
※当会までの系譜を確認するには、第六章をご覧ください。

第七章「洪門の規則」

2024年7月5日/本多利也 記

<基本教育>

※洪门传统文化-立誓| 世界洪門組織の図

ここからは、洪門の基本教育方針や教育について解説しよう。
清朝時代は完全な秘密結社だった為、規則は組織を守る為、また己を守る為に相当厳格なものであった。
まず入門に際しては「立誓」として、三十六の誓いを立てた後、二十一則、十禁、十刑、律書、十条、十款、磁戒十条と呼ばれる八十九にも及ぶ洪門の基本規則を守る事を誓う。
また、この中の五十九の誓いには破った場合の具体的な刑罰も事細かに決められていた。
さらにこれらとは別に、各山堂では独自の規則「家法」を持つところも多かった。
現在はこうした厳格な罰則を伴う規則も時代の推移により変化したが、入門に際して下記の十条十款を誓う事は変わらない。

<十条>

  1. 国家に忠誠を尽くす。
  2. 親孝行を尽くす。
  3. 長幼の序を守る。
  4. 周囲と仲良くする。
  5. 人としての正しい道を進む。
  6. 仁義を守る。
  7. 兄貴の姐さんと相互に尊重しあう。
  8. 兄は仁、弟は義を尽くす。
  9. 洪門の規律を尊守する。
  10. 互信と互助の精神をもつ。

<十款>

  1. 淫乱に走る事を許さず。
  2. 兄嫁、弟嫁と戯れる事を許さず。
  3. 兄弟を害する証人となる事を許さず。
  4. 逃げる事を許さず。
  5. 礼を失した言葉遣いを許さず。
  6. 機密を漏らす事を許さず。
  7. 組織の規律を破壊する事を許さず。
  8. 弱い者苛めを許さず。
  9. 道理なき喧嘩と暴言を許さず。
  10. 他組織の人間が身分を偽って洪門の門に入る事を許さず。

※洪門十款十条の図

<三つの修練>

「武術」「度胸」「能力の修練」を怠らない。

<遂行事項>

1.設立櫃台
 各山堂は、他山堂からの訪れる兄弟に対して一泊二食の接待や草鞋銭を包む、兄弟救済、福祉・慈警事業に貢献する習慣がある。この為の必要資金を確保しておく事を指す。
2.広立公口
 各堂には、分堂、支堂を広げる義務がある。
3.訪友連絡
 洪門の兄弟は、常に友人を訪問し連絡を取り、洪門の兄弟を増やすべく努力をしなければならない。
4.研究道理
 洪門の兄弟は、常に人の道を正しく歩むための研鑽を重ねる。
5.訓練人材
 洪門の兄弟は、常に後進の訓練に努めよという意味。
6.監視行為
 洪門の兄弟は、常に兄弟間の裏切り行為を監視せよという意味。
7.清綱盤底
 洪門の兄弟は、常に組織の細部に亘り注意せよという意味。
8.厳行規律
 洪門の兄弟は常に規律を厳格に守らなければならない。
9.注重礼節
 洪門の兄弟は、常に礼節を重視せよ。
10.購仁講義
 洪門の兄弟は常に 「仁と義」 を重んぜよ。

<口決(号)>

恨、殺、敬、愛(四つの決心)
「恨」:奸、盗、邪、淫を憎む。
「殺」:汚職する官僚は敵さず。
「敬」:貞女や義夫を尊敬する。
「愛」:忠臣ならびに孝子を愛する。

<洪門四梁(山堂香水)>

洪門四梁とは、山堂香水という洪門の四構成要素を表します。
南華山では下記の様に記されます。
・放馬落雁南華山
・英雄團聚忠義堂
・昇平永祀萬壽香
・萬流匯集渤海水

<洪門四柱:四大盟兄(恩·承·保·薦)>

洪門四柱とは四大盟兄と呼ばれる入門を応援して頂いた、尊敬すべき四人の兄貴という意味で、具体的には「恩・承・保・薦」と称す。
恩(山 主)…最も恩義のある方。
承(副山主)…入門を承諾してくれた方。
保(副山主)…入門を保障してくれた方。
薦(堂 主)…入門を直接推薦してくれた方。
(入門者の直接の大哥になります)

<洪門の指印>

※世界紅門中義文化フォーラムでの写真

浜門では、819の指印を用いますが、これは明王朝最後の皇帝である崇禎帝が北京の蝶山にて首を吊って自殺し、明王朝が滅びた日が8月19日である事に由来する。
・洪門兄弟は、人差し指を折り握手する。
・洪門兄弟は、両手の人差し指を折り、左右の腰に当てて挨拶をする。
・その他の符牒、仕来り等々は直接指導を受けて下さい。

目次第六章「そして、現在の新洪門へ」第八章「未来への活動」